空間デザインで魅力的な空間づくりをする「ディスプレイ業界」をご紹介します

皆さんはディスプレイ業界をご存知でしょうか。
カフェの店内やショールーム、イベントブースなど、私たちの身の回りの様々な空間がディスプレイ業界によって手がけられています。
今回はディスプレイ業界の仕事内容や職種、今後の動向、キャリアパスをご紹介します。
少しでもディスプレイ業界に興味がある方は、この記事を通してディスプレイ業界への理解を深めてみてください。
ディスプレイ業界とは
ディスプレイ業界は公共施設や店舗、イベントスペースなど様々なスペースの空間デザインをすることで魅力的な空間を手掛ける業界のことです。
空間デザインとは、その場所の特性や利用目的に応じて、効果的な配置や照明、色彩、素材などを考慮し、人々の体験や感情に訴えかける空間を創り出すプロセスです。
例えば、アパレルブランドが店舗を出店する際には、店舗の雰囲気にブランドイメージを反映させるため、壁紙や店舗の装飾、衣類の配置をデザインする必要があります。また、商品が映えるような照明を選択します。
このように、空間の内装をより良くし、来店者の購買意欲を高めたり、満足度を高めたり、空間デザインを通じて人の心を動かすことがディスプレイ業界の役割です。
ディスプレイ業界の仕事内容
ディスプレイ業界の仕事の流れについてご説明します。
空間デザインを必要とする企業から発注を受けたら、まずは発注主のニーズや目的をヒアリングし、その内容に基づいて企画をしていきます。
企画段階では、空間デザインの構想やレイアウト、照明効果、装飾や素材の選定などを行います。
企画が完成したら、それをデザインに具現化します。3DモデリングやCADソフトウェアを使用して、ディスプレイの見た目や配置を詳細に設計します。このデザインをクライアントにプレゼンテーションし、フィードバックを受けます。
プレゼンテーションでの承認を得たら、ディスプレイを製作します。これには、必要な素材やパーツの調達から始まり、実際の加工、装飾などまで行います。コストを予算内に納めながら、デザイン通りに製作をし、完成したらディスプレイを納品します。
ディスプレイ業界の職種
ディスプレイ業界の仕事内容についてご紹介しましたが、もちろんこれらの業務を全て担当するわけではなく、職種によって担当する領域が分かれています。
ここでは、各職種がどのような役割を担っているかをご説明します。
営業職
営業職は、企画職が作成したアイデアやデザインをプレゼンテーションなどで提案し、契約を獲得する仕事です。契約の後は、クライアントと他の職種の間に立ち、クライアントからのヒアリングをしたり、その内容を基に各職種に指示を出したりします。
顧客とのコミュニケーション能力や提案力だけでなく、社内でのマネジメント能力も重要となります。
企画職
企画職は、営業職と共にクライアントにヒアリングをし、空間デザインの土台となる企画を作成します。その際、作成した企画をきちんと言語化して、デザイナーに連携する役割も担っています。
クライアントからヒアリングし、作り上げた企画のイメージを正確に言語化し伝えなければならないので、コミュニケーション力だけでなく表現力も必要とされます。
デザイナー職
デザイナーは営業職や企画職が持ち帰った企画を基に、図面やパースを作成したり、3DモデリングやCADソフトウェアを使用してデザインに落とし込んでいきます。
デザインの知識や、3DモデリングやCADソフトウェアなどの技術を要する専門性の高い職種となります。
また、クライアントの要望に応えるためにデザイン案を複数パターン作成するなど、柔軟性や忍耐力も必要とされます。
制作職
制作職はデザイナーが作成した図面を基に、実際に現場に立って制作をする職種です。
企業や現場によって自身で制作まで行う場合と、制作現場の監督、指示を行う場合がありますが、どちらにせよものづくりの知識だけでなく、現場に立つ体力も必要とされます。
建築系や美術系の専攻をしていた人が求められる職種です。

ディスプレイ業界の現状と今後の動向
ディスプレイ業の市場に関する調査(参照:『ディスプレイ業の市場に関する調査を実施(2023年)』 ディスプレイ業の市場に関する調査を実施(2023年))によると、国内のディスプレイ業の市場規模は2019年度は1兆7,100億円でしたが、コロナ禍に入り2020年度は1兆3,100億円と大きく下落しました。
その後も緊急事態宣言やまん延防止措置によりイベントや新規店舗の出店等が減り、2021年度には前年度比3.1%減の1兆2,700億円となりました。
現在はイベントや展示会の実施は増えてきていますが、オンラインショッピングの普及に伴い、実店舗での販売からECサイトでの販売に比重を置く企業が増えてきています。
このような状況下で、ディスプレイ業界はIT技術の活用など変革が求められ始めています。
例えば、ARの活用により、アパレルで服をARアプリにより仮想的に試着しミスマッチを減らしたり、企画段階でARを使うことで発注者と企画のイメージをより視覚的に共有したりといった活用が考えられます。
企業によって様々な新たな試みをしているので、各企業の公式サイトをぜひ見比べてみてください。
業界におけるキャリアパスの描き方
ディスプレイ業界でのキャリアパスは、社内での役割をステップアップさせていくことが一般的です。
最初はチームの中で一部の業務のみを担当し、少しずつ担当できる業務の範囲を広げていきます。
各プロジェクトに職種ごとに主担当者がおり、主担当者を目指して担当領域を広げたり、チームのマネジメントの経験を積んでいきます。
デザイナーであれば、業務と並行して空間ディスプレイデザイナー認定試験やインテリアコーディネーター、商品装飾展示技能士などの資格を取得することで、業務に活かせる知識を身につけられるだけでなく、社内外でキャリアアップする際のアピール材料となるでしょう。

ディスプレイ業界への転職のポイント
他業界からディスプレイ業界へ転職する際、志望する職種と同様の経験を前職でしていると選考を有利に進められるでしょう。
例えば、設計事務所で図面を引いていたり、3Dモデリングの経験があれば、デザイナー職の業務に直接役立てることができますし、ゼネコンの施工管理職として現場のマネジメントや積算の経験があれば、制作職として現場を取り仕切る際に活かすことができます。
さらに、建築士や施工管理技士、空間ディスプレイデザイナーなどの資格を有していると、よりアピールすることができるでしょう。
ただ、企業によっては未経験を中途採用しているケースもあるため、前職での経験は必須という訳ではありません。
未経験の場合は、自身のポートフォリオを作成することでスキルや意欲をアピールすることが重要になります。
また、職種に限らずチームでのコミュニケーションやプロジェクトの管理は必要になってくるため、コミュニケーション能力やマネジメント能力も選考の際に求められるポイントになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ディスプレイ業界の概要から業界でのキャリアパスの描き方、転職のポイントまでディスプレイ業界の全体像をご紹介しました。
ディスプレイ業界は、公共施設や店舗、イベントスペースなど様々なスペースの空間デザインをすることで魅力的な空間を手掛けることが役割です。
発注主のニーズを把握するためのヒアリングから始まり、企画、デザイン、制作と様々な職種が関わることで、ディスプレイの納品までを行います。
オンラインの店舗やイベントが増えている中で、ディスプレイ業界もIT技術の活用など変革が求められており、実際にAR技術の導入され始めています。
ビルドアップで有利なキャリアアップ・転職を
ディスプレイ業界は私たちの生活に直接関わる仕事をしていることもあり、人気のある業界です。
先述したように、他業界からディスプレイ業界に転職する場合は、志望する職種と同様の経験を前職でしていると選考を有利に進めやすいです。
また、職種に限らずチームでのコミュニケーションやプロジェクトの管理は必要になってくるため、コミュニケーション能力やマネジメント能力も選考の際に求められるポイントになります。
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