【必読】設計職のキャリアの勝ち筋とは? ー仕事の本質・成長イメージを認識して確かなキャリア形成を

【必読】設計職のキャリアの勝ち筋とは? ー仕事の本質・成長イメージを認識して確かなキャリア形成を

設計職としてキャリアを歩むあなたへ

建築・土木系の設計職に就いたあなたにとって、日々の業務に追われながらも、「この先、自分はどんな設計者になれるのか」「今のままで本当に成長できるのか」と不安や疑問を感じる場面もあるのではないでしょうか。

設計職のキャリアは、最初から明確な答えがあるわけではありません。
働く企業や携わる案件によって、得られる経験や成長の方向性が大きく異なります。その中で、地道な経験の積み重ねと、自分自身で「どんな設計者になりたいか」を意識することで、キャリアの道筋はしっかりとつくられていきます。

本記事では、新卒設計職が中長期的に成長していくために必要な考え方や、年次ごとの成長ステップ、そして環境選びの重要性について解説していきます。

設計職として良いキャリアを歩むために

設計職としてキャリアを歩むにあたり、まずは設計職という仕事の本質を理解し、将来的に目指すべき理想の姿をイメージすることが重要です。そのうえで、その理想像に近づくために必要なスキルをどのように身につけるかを考えていきます。

若手のうちは、どうしても作業的な業務が中心になりがちですが、それでも「設計職としてどんな姿を目指すか」を意識して仕事に取り組むことで、キャリアの方向性が大きく変わっていきます。まずは、設計職として理想的なキャリアを築くための本質的な考え方と、目指すべき設計者像について整理してみましょう。

設計職の仕事の本質を知る

設計の仕事は、単に斬新でエッジの効いたプランを描くことが目的ではなく、クライアントの要望や課題をくみ取り、建築法規や制度などに適合しながらも、時代の潮流も意識し、それを設計に反映させ、建築空間としてカタチにし提案までを行う高度な仕事と言えます。長期的な目線で利用価値が高く、居心地も良い空間づくりのために、法規、構造、意匠、コストなどの様々な要素を整理・統合し、「最適な空間」を創造するプロフェッショナルです。

また、その過程ではクライアントや施工者などさまざまな立場の人たちと対話しながら、建築というプロジェクト全体を前に進めるため、指揮を執る役割であるとも言えるでしょう。

組織設計事務所のベテラン設計者が語る
目指すべき「設計者の理想像」とは

では、設計職の職能が整理できたところで、中長期的に目指すべき設計職の理想像とはどのようなものでしょうか。
ここからの内容は、建築系の組織設計事務所で設計チームのリーダーを数年経験した方に「現場で活躍する優れた設計者にはどのような特徴があるのか」についてヒアリングをしたものです。
自分の将来像と重ねながら、イメージを膨らませてみましょう。

「設計意図」を持って図面を描ける

先述したように設計者は、ただ図面を描くのではなく、施主の要望を形にする中で、動線、柱の配置、空間構成に意味と意図を込めて設計し、それを自分の言葉で施主に対して説明できるようになることが重要です。
そうした設計意図を持つことで、時には、施主の要望を超えた提案ができるようになり、信頼の置ける設計者への第一歩を踏むことができるでしょう。

法規・構造・設備の基礎知識を持ち設計の検討ができる

施主や利用者にとっての空間の良し悪しは、単なる外観や内観の美しさといった意匠だけでは決まりません。
構造・設備・法規といった“裏側”を深く、また、最新の情報として理解することで、設計の説得力が格段に上がります。そして、それらを別個に検討するのではなく、同時にそれらの要件を満たした設計プランを描けるようになると、設計スピードが格段に上がり、より重要な検討に時間を割くことができるようになるでしょう。

「空間の体験」を想像しながら設計できる

先述したような、設計スキルも重要ですが、良い建築や構造物は実際に利用者が良いと思えるかどうかによって決まります。設計の段階から、「この空間を使う人がどういう空間体験ができるか」を想像できることが、魅力的な提案につながります。

よくある事象として、平面図で見ると一見綺麗に描けていても、ヒューマンスケールでもなく、様々な使い道のある意図した大空間でもない、中途半端な余白の空間が生まれているケースも多く見受けられます。
そうしたプランは竣工後はあまり使われない無駄な空間となることも往々にしてあります。

そのためには、様々な空間に足を運び、自身の身体や感覚で空間の体験をし、それを数値化・言語化(要素分解)することをルーティーンにすることで、徐々に設計プロセスへの反映ができるようになるでしょう。

ヒアリング・プレゼン・現場対応まで一貫してこなせる

ここでお伝えしたいのは、設計者たるものヒアリング・コミュニケーションが重要であるということです。
施主の要望を引き出し、提案し、現場でカタチにする――その一連を担える設計者こそ、真に“信頼される人”となれるため、ヒアリングやプレゼン、打ち合わせでの積極的なコミュニケーションの機会に飛び込んでいくようにすると良いでしょう。

その場で修正プランやスケッチが描ける

かなり上級のスキルではありますが、打合せ中にその内容を反映しスケッチ案を即時に提示できる設計者は、会話のスピードも、信頼も段違いに高めることができます。施主が漠然としたイメージしか持っていない場合の要望でも、その場で手を動かして具現化できる力は、設計者として一目置かれる存在となるでしょう。

スキル習得のために必要な日々の姿勢

ここまでで設計職の目指すべき理想像について解像度が徐々に上がってきたのではないでしょうか。
ここからは、その理想像に近づくために、日々の業務をどのように進めれば良いのかについて、具体的なアクションをご紹介します。
建築設計職として成長をした方が、実際に何に注力をしていたのかをベースに解説をしていきます。

関連法規、好事例のインプットを習慣化する

建築基準法や各種条例などの関連法規は、設計を進める上で避けて通れない知識です。
日々の業務の中で「この設計与件にはどんな法的根拠があるのか」を意識してインプットする習慣が大切となります。
関連法規や制度は、暫時、内容の変更や改訂などが行われ、その最新情報をインプットすることも、信頼を得るためには非常に重要です。

また、国内外の優れた建築事例に定期的に触れることで、空間の構成力や意匠性の引き出しを増やしていけます。SNSや専門誌、建築事例の情報サイトなどを活用し、設計者としての感覚をアップデートし続けましょう。

既存の建築を見た時、頭の中でプランとして起こしてみる

街中で見かけた住宅や店舗、公共施設などを見たときに、「この平面プランはどうなっているのか?」「この動線はなぜこうなっているのか?」と、頭の中で平・立・断面図に置き換えてみるトレーニングは非常に有効です。日常生活の中で、実際に自身の身体感覚を基にした設計視点を持つことで、空間構成の理解が深まり、実際のプランニングでも直感的な提案力が磨かれていきます。

外出する時は、メジャーやスケール(定規)などを持ち歩いたり、自身の体の一部の寸法を把握することで、気になった建築の要素の寸法をその場で測ることができるようになります。
例)両腕を水平に伸ばした時の長さは約1.5m、上に手を垂直に上げた時の高さは約2m など

PCでのCAD作業だけでなく、手書きのラフプランやスケッチの作成を習慣化する

図面作成がPC中心になる現代においても、手を動かしてラフプランやスケッチを描く習慣は重要です。ラフスケッチは、自分の思考をアウトプットし、整理する手段でもあります。
とくに打合せやアイデア出しの場では、手書きで素早く形を示せることが、設計者としての信頼や会話のスピードにもつながります。毎日少しずつでも描く習慣をつけることが成長への近道です。

様々な領域の人物とコミュニケーションをする機会を意識的に作る

設計者は、本質的には、様々な施主とのコミュニケーションが求められる職種です。
そのため、様々な領域や業界、経験を持つ人物と、様々な事柄についてコミュニケーションを取れるような力を養っておくことで、業務においても信頼感のあるやり取りができるようになるでしょう。

プレゼンテーションを想定しながらプランを描く

設計図面を描く際には、「このプランをどう説明するか」「どこが伝えどころか」を意識することで、伝える力が養われます。日々の業務でもプレゼンを想定してプランを描く癖をつけておくと、いざという場面でスムーズに説明でき、クライアントや上司とのコミュニケーションの質も向上します。図面やスケッチは、伝わって初めて価値があるという意識を持ちましょう。

資格取得を意識した学びの習慣化

例えば一級建築士の取得は、設計者としての専門性を高める大きなステップです。
仕事と並行しながら勉強を進めるためには、1日30分でもよいので学習習慣を早めに築くことが大切です。
実務で遭遇した法規や構造の疑問を、資格試験の観点からも整理しておくと、理解が深まり、試験対策にも直結します。「業務と資格の学びをリンクさせる」視点を持つと、効率よく力を伸ばすことができます。

年次ごとの知識・経験の蓄積イメージ

ここまでで設計職としての成長イメージが湧いてきたかと思います。
ここからは、組織の中での知識・経験を高めていく中で、時間軸的な理解をしていただくために、各年次における目指すべき姿について解説していきます。

設計職のキャリアは、年次ごとに少しずつできることが増えていく“積み上げ型”です。ここでは、1年目から10年目までに得ておきたい経験や役割の変化を整理します。もちろん、携わるプロジェクトや環境によって異なるため、あくまで参考イメージになりますが、自分の現在地と照らし合わせながら、今後のやるべきことを考えてみると良いでしょう。

1年目:基礎スキルと設計思考を身につける

  • CAD・BIMなどの操作習得
  • 図面作成を通じて納まりや法規の基本を理解
  • 設計意図を意識して図面に取り組む
  • 建築士試験(学科)の勉強を開始

2〜3年目:担当範囲を広げ、提案力を磨く

  • 小規模案件のプランニングを担当
  • プレゼンやお客様対応の場に出る機会を持つ
  • 実施設計や仕様決定に関与する
  • 一級建築士取得に向けた準備・挑戦

4年目以降:設計の中核として活躍し始める

  • 中規模案件の主担当として企画〜監理を担う
  • 設計方針を自ら立てて実行する力を求められる
  • 若手の指導やチームの中心的役割も担う

5年目〜10年目:設計者として社内外で関係性を広げる

  • 複数案件をマネジメントし、実務責任を持つ
  • 社内での教育や品質管理にも関与
  • 社外ネットワークの構築を意識し、将来的な設計案件獲得や独立も視野に入れる

あくまで参考のイメージですが、お伝えしたいことは、あなたの設計職としての成長のためには、「徐々に知識と経験の領域を広げていくイメージを時間軸に落とし込むことが重要である」ということです。

キャリアにおける環境の重要性 ー知識・経験は「環境」に左右される

ここまで設計職の理想像やアクションプラン、時間軸的な成長イメージを整理してきました。
しかし、設計職として成長を続けていくうえでは、自分がどんな現場にいるか、どんな上司に学ぶか、といった「環境」は非常に重要です。

理想と環境のリンク付けは、ご自身が意識的に行う必要があります。ぜひ、定期的にご自身を客観視、俯瞰視していただきたいですが、とても難しい取り組みのため、キャリアアドバイザーなどに相談することをおすすめします。

自分に合った設計環境を選び直すという選択肢

自分に合った設計環境とはどのように理解すれば良いのでしょうか。
例えば、以下のような整理から始めると良いでしょう。

  • 大規模開発の設計に携わりたい → 組織設計事務所
  • 構造に注力した設計経験を積みたい → 構造設計事務所(アトリエ系)やゼネコンの設計部
  • デザインやコンセプト提案に特化したい → 意匠設計中心のアトリエ事務所
  • お客様との距離が近い仕事がしたい → ハウスメーカー・工務店
  • 現場経験を重ねたい → 設計施工一体型の工務店や企業

同じ設計職でも、携わるフェーズや役割によって得られる経験は大きく異なります。
理想像と現実のギャップを埋めるためには、環境を選び直すという選択肢も前向きに考えることが重要でしょう。

「我慢」ではなく「選択」でキャリアを築く ー他職種への展開も視野の一つとして

現在在籍して入り環境が、思い描いたものと異なることは珍しくありません。
「成長が実感できていない」「やりがいを感じられない」「身につけたい知識・経験が得られる見込みがない」といった違和感を抱えたまま働き続けることは健全ではないでしょう。
その際は、知識がしっかりとある第三者に相談しながら、「自分にとって本当に成長できる環境はどこか?」という視点でご自身のキャリア見直してみることが大切です。

その結果、設計職ではないキャリアに転換することも良い選択になり得る場合もあります。
実際に、設計職で培ったスキルは、インテリア、開発企画、施工管理、不動産など、他の職種でも活かすことができます。

そのため、将来的に道を広げたいと考える場合も、まずは設計者としての土台をしっかり築くことが何よりも大切でしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

設計職として、職種としての理想像から、成長するための具体のアクション、時間軸のキャリアイメージ、環境の需要性について解説してきました。
キャリアの早い段階から将来のあり方について、解像度を上げていくことは、日々の業務の意義を高めることにつながります。

しかしそういった思考を1人で深めることは難しいのが実態でしょう。
経験者や建設業界におけるキャリアに精通した人へ相談することで、具体化がしやすくなるでしょう。

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