ゼネコン業界の基礎知識!構造形式の特徴と工事フローを解説
ゼネコン業界で働き始めたばかりの方や、これから転職を考えている方にとって、「構造形式」と「工事の流れ」を理解しておくことはとても有益です。
同じ建物でも採用する構造によって強度や工期、コスト、さらには求められる技術が大きく変わるからです。
新卒社員にとっては現場での理解が深まり学びのスピードが上がる一方、転職を検討する方にとっては企業の得意分野を見極める重要な手がかりとなります。基礎知識を持っていることで、現場での信頼を得やすくなるだけでなく、選考時における自己PRの説得力も格段に高まります。
この記事では、代表的な構造方式の特徴や工事の進め方、そしてそれをキャリア形成にどう結びつけられるかを整理します。
主要な構造形式の特徴
建設現場で採用される建物の構造は、その仕組みによって性能や用途が大きく変わります。構造方式を理解することで、「どの建物にどの構造が向いているのか」が判断できるようになり、日常業務や企業研究に直結します。
RC造(鉄筋コンクリート構造)
RC造は、鉄筋とコンクリートを組み合わせて構成されます。鉄筋が「引っ張る力」に、コンクリートが「押しつぶす力」に強いため、両者を補い合うことで高い安定性を発揮します。
耐火性や防音性が高く、マンションや中規模以上の建物で広く利用されています。一方で、構造が重いため基礎の設計が難しく、施工期間が長くなる点がデメリットです。
S造(鉄骨構造)
鉄骨を柱や梁に使用することでフレームをつくるのがS造です。軽くて頑丈な特性を持ち、商業施設やオフィスビルのように大きな空間を確保する建築に向いています。
工期の短さと設計の自由度の高さがメリットですが、鉄は火に弱いため耐火被覆が必須であり、錆びやすいため定期的な維持管理も欠かせません。
SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート構造)
SRC造は、鉄骨(S造)と鉄筋コンクリート(RC造)を掛け合わせた構造です。両者の強みを融合させているため、高層ビルやタワーマンションなどに適用されるケースが多いです。
耐震性と耐火性の双方に優れていますが、その分コストも工期もかかり、施工計画を管理する技術者の力量が大きく試される構造といえます。
PC造(プレキャストコンクリート造)
PC造は、事前に工場で製作したコンクリート部材を現場に運び入れ、組み立てていく方式です。工場製作のため品質が安定しやすく、現場での効率化や工期短縮につながります。
ただし、設計変更など柔軟な対応がしづらい点や、部材の輸送・接合で高度な施工技術が必要となる点がデメリットです。大量建築やスピードが求められる案件に有効ですが、自由度はやや低めです。
木質ラーメン構造
木材、特に集成材を使い、柱と梁を強固に接合してつくる構造が木質ラーメン構造です。自然素材ならではの温かさを感じられる建物を実現でき、木材のしなやかさを活かして耐震性も確保できます。
環境に配慮した建築手法として注目される一方、防火性能や耐久性をどう担保するかが課題となります。環境性と安全性の両立を考えた設計が求められる分野です。

基本的な工事の流れ
ここでは、基本的な工事の流れについて大まかな進行手順を紹介します。
調査・設計フェーズ
工事のスタートは土地や環境を調べることから始まります。地盤の状態を調査し、その結果を基に意匠・構造・設備などの設計を進め、全体の図面を仕上げていきます。この初期段階での精度が、後の施工品質を大きく左右するカギとなります。
施工準備フェーズ
設計が固まったら、具体的な施工計画を立てます。工事の工程表を作成し、必要な人員や資材を手配、安全管理の体制を整えるのもこの段階です。準備の精度次第で、その後の作業がどれほどスムーズに進むかが決まります。
基礎工事
準備完了後は、建物を支える基盤づくりに移行します。杭打ちや地中梁、スラブの施工を行い、建物全体を支える土台を築きます。基礎の出来不出来は建物全体の寿命や安全性に直結するため、非常に重要な工程です。
躯体工事
基礎が固まった後は、建物の骨格をつくる躯体工事です。RC造なら鉄筋とコンクリート、S造なら鉄骨、SRC造ではその両方を組み合わせるなど、構造形式に応じて手法が変わります。ここで建物の形状が目に見えて現れてきます。
仕上工事
骨組みが整ったら、次は建物の機能と見た目を整える仕上げ作業に進みます。内外装を整え、電気や給排水、空調といった設備を取り付ける工程です。利用者の快適さや完成度を決定づける段階であり、細部まで丁寧な施工が不可欠です。
検査・引き渡し
工事の最終段階では検査が行われます。設計図通りに仕上がっているか、安全性に問題がないかを徹底的に確認します。必要に応じて修正を加え、最終チェックをクリアした後に建物を引き渡します。この検査と引き渡しを経て、プロジェクトが正式に完了となります。

構造形式ごとの工事の進み方
ここからは、構造形式ごとに工事の進め方がどう異なるのかを見ていきます。同じ建築工事でも、採用される構造方式によって作業手順や注意点が大きく変わります。現場理解を深めるうえで、非常に重要なポイントです。
RC造の場合
1. 型枠の設置
コンクリートを流し込むための型枠を組み立てます。精度が仕上がりに直結するため、位置・寸法の管理が欠かせません。
2. 鉄筋の組立
設計図に従い鉄筋を配置し、結束線で固定します。鉄筋配置の正確さは強度に直結します。
3. コンクリート打設
ポンプ車で生コンクリートを流し込み、バイブレーターで隙間なく打設します。
4. 養生と脱型
一定期間の養生を行い、十分な強度を確認して型枠を外します。季節によって温度や湿度管理が重要となります。
S造の場合
1. 鉄骨製作
工場で鉄骨部材を製作し、厳しい品質管理のもと検査します。
2. 建方
大型クレーンを使って現場で鉄骨を組み立てます。重機と作業員の連携がカギです。
3. 接合作業
ボルトや溶接で部材を接合し、溶接部の検査も並行して行います。
4. 耐火被覆
鉄骨を火災から守るため、耐火材を吹き付けたり巻き付けたりします。短期間で進む工事である分、スピード感が求められる構造です。
SRC造の場合
1. 鉄骨建方
まず鉄骨フレームを建て、建物の芯を形成します。
2. 型枠設置と鉄筋配置
鉄骨を囲むように型枠を設け、その中に鉄筋を組み込みます。
3. コンクリート打設
鉄骨と鉄筋を包み込むようにコンクリートを流し込みます。密着性を確保する管理が必要です。
4. 養生・脱型
十分な強度を得るまで養生し、型枠を外します。施工管理者には高度な調整力が求められる構造です。
PC造の場合
1. 部材製作
プレキャストコンクリート部材を工場で製造。高精度な品質管理が行われます。
2. 現場搬入
大型車両で運搬し、事前に搬入経路やクレーン計画を確認します。
3. 建方・組立
クレーンで吊り上げ、設計図に基づいて配置。仮設の支保工で安全を確保します。
4. 接合・補強
接合部に後打ちコンクリートを流し込み、構造全体を一体化させます。品質と効率を両立させる高度なマネジメント力が求められる方式です。
木質ラーメン構造の場合
1. 部材搬入
工場で加工された集成材の柱や梁を現場に搬入します。
2. 骨組み建方
クレーンや人力で柱と梁を組み立て、ボルトや金物で剛接合します。
3. 防火・防腐処理
必要に応じて表面処理や耐火被覆を施し、耐久性と安全性を確保します。
4. 仕上げ
外装や内装を整え、木材特有の温かみを活かした建物を完成させます。自然素材の魅力と現代建築の要求を両立させる工法です。

構造形式を知るメリット
転職活動に活かせる
建物の構造形式に関する理解は、ゼネコンへの転職活動で大きな武器になります。企業ごとに得意とする工法や実績分野が異なるため、自分の知識を企業特性と絡めて話すことができれば、説得力のある志望動機となります。また、面接では「具体的な建物や構造の特徴」を交えて話すことで、専門性をアピールできます。
業務に活かせる
実際に現場で働く上でも、構造方式の理解は役立ちます。例えば、RC造とS造では工程や必要な管理ポイントが大きく異なるため、それを理解していることで作業効率や現場の安全管理に直結します。新卒で配属されたばかりの方にとっては学びのスピードを高め、転職者にとっては即戦力として評価されやすい基礎知識となります。
まとめ
建築の現場では、RC造やS造、SRC造、PC造、木質ラーメン構造といった多様な構造方式が用いられています。それぞれに特性があり、適した建物の用途や施工手順、注意点が異なります。これらの違いを理解することは、知識としての強みになるだけでなく、実務に直結する重要なスキルです。
新卒入社の方にとっては現場での理解を深めるきっかけになり、転職を目指す方にとっては企業選びや自己PRの切り口になります。さらに、日々の業務に活かすことで、効率性や安全性の向上にも貢献できます。
つまり、構造や工事フローの基礎知識は、単なる座学ではなく、キャリア形成と実務力強化の両面において大きな価値を持つものです。
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