リフォーム・リノベーション業界の課題と将来性を解説します

リフォーム・リノベーション業界の課題と将来性を解説します

リフォーム・リノベーション業界は市場が拡大し注目を集める一方、数多くの課題や転換点を迎えています。

本記事では、その課題や今後の展望を掘り下げることで、業界のリアルな姿をお伝えします。

将来性やキャリアの成長余地を見極めるためには、業界の弱点や変化の方向性を把握することが欠かせません。この記事を通じて、未来を見据えたキャリア選択のヒントを得ていただけると幸いです。

住宅ストックの現状と空き家問題

日本の住宅市場は「新築中心」から「既存住宅活用」へとシフトしています。しかし、この変化の裏には深刻な空き家問題が横たわっています。

総務省の調査によれば、2018年時点で約849万戸もの空き家が存在し、2030年には1,000万戸を超えると予測されています。これは全国の住宅のおよそ7軒に1軒が空き家となる計算であり、防犯・景観・地域の活気に悪影響を与える深刻な社会問題です。

空き家増加の背景には、人口減少や世帯数の変化、都市部と地方の格差など複数の要因があります。放置された空き家は倒壊や火災のリスクを高め、近隣住民に不安を与える要素にもなります。

その一方で、中古住宅をリフォームして活用する動きは「ピンチをチャンス」に変える鍵です。新築よりコストを抑えやすく、環境負荷の軽減や資源の有効利用にもつながるため、今後さらに政策的支援が強まることが期待されます。

2025年の法改正と業界への影響

2025年には、建築基準法をはじめ住宅関連のルールが大きく改正される予定です。方向性は「より安全で、法令に適合した住宅づくり」であり、リフォーム・リノベーションにも直接影響します。

法改正のポイント

  • 施工時により厳格な安全基準が適用される
  • 補助金や優遇制度の対象条件が見直され、基準適合が必須化する可能性
  • 法知識や技術力に優れた企業が選ばれやすくなる

想定される影響

法改正は業界にとって「厳しさ」だけでなく「信頼される企業が選ばれる機会」でもあります。対応力のある企業は成長を加速させ、逆に対応できない企業は淘汰される可能性が高まります。結果として、業界全体の質の底上げが期待されています。

業界が抱える主要な課題

人手不足と職人の高齢化

リフォーム現場を担う職人の高齢化が進み、若手が不足しています。技能継承が難航することで、施工品質や対応力の低下が懸念されます。しかし、これは裏を返せば、建築やデザインに関心を持つ若者にとって活躍のチャンスが広がっている業界でもあります。働きやすい環境づくりや育成体制が整えば、次世代の担い手が台頭する余地は大きいといえます。

資材価格の高騰

世界的な資源不足や物流コスト増により、木材や鉄鋼、住宅設備機器の価格が高騰しています。結果として工事費用が上昇し、顧客の負担や企業の利益圧迫につながっています。近年では、再利用資材や代替素材を取り入れる工夫、効率的な設計による資源削減など、コスト管理と環境対応を両立する取り組みが注目されています。

価格競争による収益性低下

「安さ」を武器にした価格競争は業界全体に広がっています。しかし、過度な値下げ競争はサービスや施工品質の低下を招き、長期的には顧客の不信感につながるリスクもあります。だからこそ、付加価値のある提案を行い、価格ではなく品質と信頼で選ばれる存在になることが、企業の存続と成長に不可欠です。

DX・IT化の遅れ

いまだに紙の図面やFAXでやり取りする企業も少なくありません。非効率な業務フローは人手不足を加速させ、顧客対応の遅れやミスにも直結します。最近では、現場管理アプリやオンライン打ち合わせツールの導入が進みつつありますが、業界全体での普及はまだ途上段階です。デジタル化は競争力の要となりつつあります。

課題に対する解決策と取り組み

IT・デジタル導入で効率化

業務効率化を目指して、見積作成や顧客管理、施工スケジュールの一元管理ツールが導入されています。さらに、オンライン相談やリモート現地確認が普及し、忙しい共働き世帯や遠方の顧客への対応が容易になりました。これにより、顧客満足度が高まり、従業員の負担軽減にもつながっています。若い世代のデジタルスキルは、この変革を後押しする重要な要素です。

出典:国土交通省「リフォームの特徴』https://www.mlit.go.jp/common/001023469.pdf

高付加価値リフォームで差別化

単なる修理や交換にとどまらず、「暮らしの価値を高めるリフォーム」が注目されています。代表的な例として、

  • 省エネ・断熱改修:光熱費削減と環境負荷軽減を両立
  • バリアフリー・介護対応:高齢者と家族双方の安心感を向上
  • 耐震・防災改修:安全性を高め災害リスクに備える

これらは補助金制度を活用できるケースも多く、顧客の負担を軽減しながら企業の収益性を確保できる分野として期待されています。

リフォーム・リノベーション業界への転職希望者が意識すべき視点

変化を見据えた企業選び

法改正や社会的ニーズの変化に対応できるかは企業によって差が出ます。教育体制が整い、最新の法制度や補助金活用に強い企業を選ぶことは、転職後に安定して働くための重要なポイントです。

成長分野への適応力

省エネリフォームやバリアフリー対応、スマートホーム分野など成長が見込まれる領域に携わる機会があるかどうかを確認しましょう。自身が興味を持てる分野を選ぶことで、キャリア形成の方向性を明確化できると同時に、モチベーションの持続にもつながります。

自分の強みと役割の把握

この業界では建築知識や施工力だけでなく、提案力やコミュニケーション力も評価されます。転職を考える際には、自分の強みが顧客や企業にどう貢献できるのかを整理しておくことが重要です。営業志向なのか、技術志向なのか、あるいは両方を兼ね備えたハイブリッド型なのかを意識すると、選考での自己PRに説得力が増します。

まとめ

リフォーム・リノベーション業界は課題を抱えながらも、法改正・社会課題・技術革新を追い風に進化を続ける成長産業です。今後は効率性と専門性の両立が求められ、若い世代の柔軟な発想が重要な役割を果たすでしょう。

住宅を通じて人々の暮らしを支えるこの業界は、単なる建築の仕事を超え、社会の未来を形づくるフィールドです。課題をチャンスに変えて挑戦したいと考える方にとって、大きな可能性を秘めたキャリアの舞台となるはずです。

この記事を読んでリフォーム・リノベーション業界に興味を持った方は「リフォーム・リノベーション業界の全体像と成長の背景を解説します」の記事も読んでみてください。

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