リフォーム・リノベーション業界の全体像と成長の背景を解説します
新築住宅と比べると目立ちにくい分野ですが、近年大きく伸びているのがリフォーム・リノベーション業界です。
すでに存在する住宅を修繕・改良し、人々のライフスタイルに合わせて価値を高めていくことが、この業界の本質的な役割といえます。
本記事では、リフォーム・リノベーションの違いや市場規模、成長の背景を整理し、主要な顧客層や注目トレンドを解説します。リフォーム・リノベーション業界に興味のある方はまずはこの記事を読んでみてください。
リフォームとリノベーションの違い
両者は似た言葉ですが、ニュアンスに違いがあります。
- リフォーム:老朽化した部分の修繕や交換(例:壁紙の張り替え、外壁塗装、設備の入れ替えなど)
- リノベーション:間取り変更や断熱強化など、住宅の性能や価値そのものを向上させる改修
どちらも「暮らしやすさを高める」ことを目的としており、単なる修理にとどまらず、住まいをより安全で快適に変えていくことが重要です。
業界の市場規模と成長スピード
近年の市場規模は右肩上がりで推移しており、短期・長期の両方で着実な拡大が見られます。
5年間の動向(2018〜2023年)
2018年に約5.5兆円だった市場は、2023年には6.2兆円へと成長し、およそ13%の増加を記録しました。この背景には、コロナ禍で在宅時間が増えたことによる「住まいの快適性」への関心の高まりがあります。
特にテレワークの普及により、自宅にワークスペースを確保するニーズが急増しました。また、省エネ性能や快適さを求める動きが広がり、リフォーム需要の追い風となりました。
10年間の動向(2013〜2023年)
2013年に約5.2兆円だった市場は、2023年には6.2兆円へと拡大し、10年間で約19%の成長を遂げています。この長期的な伸びを支えたのは、新築住宅需要の減少とストック住宅の有効活用です。
少子高齢化の進行により新築購入が減少する一方、「既存住宅を活かす」という選択肢が現実的で合理的になっています。さらに、政府の中古住宅流通促進策や、空き家対策が市場拡大を支える要因となっています。

成長を支える4つのトレンド
この市場の拡大を後押しするのは、次のような生活や社会の変化です。
中古住宅+リフォームの一般化
国の政策やローン制度の整備により、中古住宅を購入してリフォームする流れが定着。「中古を買って自分好みに仕立てる」という暮らし方が広がっています。
省エネ・ZEH対応リフォーム
断熱材や太陽光発電の導入など、省エネルギー型リフォームが増加。光熱費削減だけでなく、国の補助制度も追い風となり、エコで快適な住まいづくりが浸透しています。
バリアフリー・介護対応
高齢化社会の進展により、段差解消や手すり設置など、安全性を重視したリフォームが拡大。「安心して長く住み続けられる家」への需要が高まっています。
スマートホーム・IoT
スマホや音声で設備を操作する仕組みが普及し始めました。防犯や利便性向上の観点から、共働き世帯や高齢世帯に支持されています。

リフォームを支える顧客層
コア世帯(55〜74歳)
この世代は持ち家率が高く、築年数が経過した住宅を所有しているケースが多いため、生活の安全性や快適性を第一に考えた実務的な改修に対するニーズが高くなります。具体的には浴室やトイレの段差解消、手すり設置、キッチンの使い勝手改善、屋根や外壁の補修、断熱・耐震改修など、暮らしに直結する工事が中心です。
資金面では貯蓄・年金を活用するケースが多い一方、リノベーションローンや補助金を併用して費用負担を抑える選択も増えています。決定プロセスでは施工の確実性・アフター保証・業者の信頼性が重視され、比較的短期で成約に至ることが多いのが特徴です。
潜在世帯(40〜54歳)
この層は子育てフェーズの変化や働き方の多様化を背景に、デザイン性と利便性を両立した中長期的な投資としてのリフォームを検討する傾向があります。
例として、テレワーク対応のワークスペース設置、間取りの見直しによる家事動線の改善、省エネ改修や収納充実などが挙げられます。中古住宅の購入とセットで計画する世帯も多く、コストパフォーマンスや将来の資産価値(リセールバリュー)を意識した選択を行います。
オンラインでの情報収集や見積もり比較を熱心に行うため、提案の分かりやすさ・複数案の提示・施工後のメンテナンスプランが成約に大きく影響します。
これらの世代は合わせて市場の主な需要を形成しており、業界はそれぞれのニーズに合わせた細かな提案力と信頼できる施工体制を求められる構造になっています。

出典:「リフォーム産業新聞WEB限定記事(2025/03/024更新)https://www.reform-online.jp/news/reform-shop/20892.php
リフォーム・リノベーション業界の魅力
暮らしに直結するやりがい
リフォーム・リノベーションは、人々の暮らしを快適にするだけでなく、安全性や安心感を高める社会的役割も担っています。たとえば高齢者が安心して住み続けられるバリアフリー改修や、省エネリフォームによる環境負荷の軽減は、日常生活に直結する価値を生み出します。単なるモノづくりではなく、人々の人生に寄り添う仕事であるため、達成感や社会貢献性を強く感じられるのが特徴です。
専門知識とクリエイティブ性の両立
この業界では建築知識や法規制の理解が求められる一方で、顧客のライフスタイルに合わせた提案力やデザイン力も重視されます。たとえば「子育てがしやすい間取り」や「在宅ワークに適した空間」など、時代や家庭のニーズに応じた提案が必要になります。理系的な知識とクリエイティブな発想の両方を磨ける場であり、幅広いスキルを育成できる環境が整っていることも魅力の一つです。
まとめ
リフォーム・リノベーション業界は、社会課題の解決に直結する成長産業です。環境・高齢化・生活利便性といったテーマに密接に関わるため、やりがいを感じやすい仕事でもあります。
新卒や転職を考える人にとって、業界研究や志望動機づくりの土台となる知識を得られる分野といえるでしょう。
この記事を読んでリフォーム・リノベーション業界に興味を持った方は「リフォーム・リノベーション業界の課題と将来性を解説します」の記事も読んでみてください。
ビルドアップで有利なキャリアアップ・転職を
ビルドアップでは、建築土木業界内でのキャリアアップ・転職や、業界外から建築土木業界への転職などに詳しい、建築土木業界に特化したエージェントが多数在籍しております。
建築土木業界でのキャリアアップ・転職を少しでも有利に進めたい方は、こちらからご登録ください。