【2025年最新】建設業界で拡がる再生可能エネルギーの可能性とこれからのキャリア戦略

【2025年最新】建設業界で拡がる再生可能エネルギーの可能性とこれからのキャリア戦略

テレビやネットのニュースなどで「再生可能エネルギー」と耳にする機会が増えているのではないでしょうか。

この分野は持続可能な社会を目指す中で急成長しており、建設・土木業界との関わりもますます深まっています。
再生可能エネルギーのプロジェクトでは、設計・施工・調査などの多様な場面で建設技術者のスキルが求められており、経験者が即戦力として活躍できるフィールドが広がっています。

建設業界での中長期的なキャリア形成を見据えるうえで、こうした業界のトレンドを理解しておくことは非常に重要です。
今後の建設業界でどのような力が求められるのか、どのような分野にチャンスが広がっているのかを知ることにつながり、自身の方向性をより的確に描くことができます。

今回は再エネの基本知識から、社会が注目する理由と建設業界とのつながりについて解説します。

そもそもエネルギーとは

中途採用市場でも注目されている再生可能エネルギー分野。その基盤を理解するためには、まず「エネルギー」から整理しておきましょう。

エネルギーは、その供給源により「一次エネルギー」と「二次エネルギー」に分けられます
一次エネルギーとは、自然界から直接得られるエネルギーであり、石炭・石油・水力・原子力などが該当します。一方、電気・ガス・ガソリンといった日常的に使用されるエネルギーは、これら一次エネルギーを変換して得られる「二次エネルギー」です。

特に電力は産業活動・社会インフラに欠かせない存在であり、その供給方法として注目されているのが、再生可能エネルギーです。

再生可能エネルギーとは

再生可能エネルギーとは、地球上の自然現象を活用して、繰り返し利用できる形で得られるエネルギーのことです。その名の通り、枯渇せずに継続的に得られる点が最大の特徴です。

この再生可能エネルギーは、エネルギー分類上「一次エネルギー」の中でも「非化石エネルギー」に該当します

一次エネルギーは大別すると「化石エネルギー(石油、石炭、天然ガスなど)」と「非化石エネルギー(太陽光、水力、風力など)」に分類され、化石燃料は現代の社会基盤を支えてきた一方で、燃焼時に多くのCO₂を排出するため、気候変動の主因とされています。

また、化石資源には限りがあるため、長期的なエネルギー供給手段としては不安定さも抱えています。
それに対し、再生可能エネルギーはCO₂排出を抑えられるだけでなく、国内資源を活用できるため、環境面・供給面の両面で持続可能な選択肢として注目されています

日本国内で再生可能エネルギーとして定義されているものには、以下が含まれます。

  • 太陽光
  • 風力
  • 水力
  • 地熱
  • バイオマス
  • 太陽熱
  • 地中熱・大気熱などの自然界の熱

こうしたエネルギー源は、地球環境に与える負荷が比較的低く、かつ国産エネルギーとしても活用できるため、今後のエネルギー政策や産業構造の変革において重要な役割を果たすと考えられています。

社会が再生可能エネルギーに注目する理由

脱炭素社会へのシフト

建設・土木業界も含め、多くの業種が「脱炭素社会」への移行を課題としています。CO₂排出の主な原因となっている化石燃料の使用を見直し、クリーンエネルギーへの転換が国際的な共通目標となっており、パリ協定を機にその流れは加速しました

再生可能エネルギーは、温室効果ガスを排出せずに電力を供給できるため、社会全体で導入が進んでいます。加えて、カーボンニュートラルを実現するための新技術や制度も次々と導入されており、再エネ分野は単なる環境対策にとどまらず、経済・政策に直結する戦略的分野といえます。

エネルギー安全保障

日本のエネルギー自給率は約10%と非常に低く、多くを海外からの輸入に頼っている状況です。国際情勢や資源価格の変動に対して脆弱であるため、国内で生産できる再生可能エネルギーの導入拡大は、エネルギー安全保障の観点からも不可欠です。

再エネの活用により、特定地域や事業者単位でのエネルギー自立も視野に入るようになり、地域分散型のエネルギー供給モデルの構築が可能になります。災害時のレジリエンス向上にもつながるため、社会的な関心も高まっています。

SDGsと企業価値の向上

企業活動においても、持続可能性(SDGs)への取り組みは無視できない要素となっています。再生可能エネルギーの導入はSDGsの17の目標のなかの

7. エネルギーをみんなに。そしてクリーンに
9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
11. 住み続けられるまちづくりを
13. 気候変動に具体的な対策を

といった目標の達成に直結し、ESG経営・社会的信用の強化にもつながります。

さらに、再エネへの積極的な投資は、長期的な視点でのコスト最適化や、ブランドイメージの向上といったビジネス上の利点にもつながるため、多くの企業が戦略的に取り組んでいます。

成長率の高さ

再生可能エネルギー市場は、世界的に見ても高成長を続けており、日本国内でも国策として推進されています。政府は2030年までに再エネ比率を36〜38%へと引き上げる目標を掲げており、事業機会は今後も増加していく見込みです。

すでに多くの企業がこの分野への参入を始めており、設計・施工・調査・運営など、幅広い職種で求人が増加傾向にあります。特に建設・土木の経験を持つ技術者にとっては、即戦力として活躍できる場が広がっており、新たなキャリアの選択肢として注目されています。

建設業界と再生可能エネルギーの接点

総合建設業(ゼネコン)

ゼネコン各社は、太陽光発電施設や風力発電設備の建設において、設計・施工だけでなく、立地調査や環境調査といった上流工程でも重要な役割を果たしています
発電効率に直結する地形や気候条件を見極めるためには、高度な測量技術や予測モデルが必要となり、ここにゼネコンが持つ技術力が活かされています。

また、建築物の屋根や外装に太陽光パネルを組み込む建築設計では、意匠性と機能性を両立させるノウハウが求められるため、従来の建築設計の延長として活躍の場が広がっています。

一部企業では、自社保有地に発電設備を建設し、電力販売を行う独自の事業モデルを展開しており、新たなビジネス領域としての再エネ事業が注目されています。

不動産デベロッパー

街づくりを担う不動産デベロッパーは、施設開発の段階から再生可能エネルギーの導入を企画に組み込むことで、環境性能の高い不動産価値を創出しています
代表的な取り組みとしては、自社保有のオフィスや商業施設でのグリーン電力(再生可能エネルギーで作った電気)導入があります

一般的には電力会社から「グリーン電力証書」付きの電気を買うケースが多いですが、東急不動産や三井不動産は外部の発電事業者と連携して、風力・太陽光発電所を運用し、その電力を自社施設に供給しています。

こうした取り組みは、環境配慮に敏感な企業テナントの誘致や、SDGs・ESG投資への対応という観点でも評価されており、開発の差別化要因として再エネ活用がますます重要になっています。

建設コンサルタント

建設コンサルタントの再生可能エネルギー分野での関与として最も重要なのが、「環境アセスメント(環境影響評価)」の実施です。

環境アセスメントとは、開発事業が自然環境や地域社会に与える影響を事前に調査・予測・評価し、その結果をもとに環境への配慮を行うことです。

例えば風力発電施設の建設にあたっては、鳥類への影響や景観への配慮、地形の改変といった自然環境への影響が問題となることがあります。このため、発電設備の設置前に、現地調査・予測・評価を行い、適切な立地判断や地域住民への説明を行う必要があります。

環境アセスメントはもともと公共事業(道路、ダムなど)において実施されてきた分野ですが、再エネ分野での需要が拡大する中で、法令遵守・地域共生の観点から重要性が高まっています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

再生可能エネルギーの概要から、なぜ今この分野が注目されているのか、そして建設業界の中でもどのような形で再生可能エネルギーと関わっているのかをご理解いただけたかと思います。

再エネ分野は、環境課題への対応というだけでなく、成長市場としてのポテンシャルも高く、企業の技術力や事業戦略が如実に表れる領域です。
中途での転職活動においても、こうした分野に企業がどのように関与しているかを把握することは、将来性や業界内でのポジションを見極めるうえで大きなヒントになります。

皆さんもぜひ、気になるキーワードが出てきたときには、それに対して企業や業界がどのように取り組んでいるのかに目を向け、今後のキャリア戦略に役立てていってください。