住宅づくりの全体像を解説 ハウスメーカーの業務理解を深めよう

住宅づくりの全体像を解説 ハウスメーカーの業務理解を深めよう

戸建住宅の建築工程は、マンションや商業施設といった大規模建築とは異なり、比較的短いスパンで工事が進行します。
しかしながら、安全性や品質を確保するためには、緻密な段取りと綿密な準備が求められます。

ハウスメーカーに入社したばかりの方や、異業種からハウスメーカーに転職を目指す方にとっては、実際にどのような流れで住宅が形になっていくのかを知ることで、選考過程や現場での会話をスムーズにすることができます。

この記事では、一般的な戸建住宅の施工プロセスを工程ごとに整理して紹介します。

各フェーズで求められる業務内容や関わる職種についての理解を深めることで、業務イメージを具体的に持つ参考にしてみてください。

また、ハウスメーカーへの転職を希望している方は、「ハウスメーカーへの転職のポイントを徹底解説!業界・職種、キャリアアップついてご紹介します」を参考にしてみてください。

施工の具体的な工事手順

0. 着工前準備

戸建住宅の建築では、実際の工事に入る前に多くの準備作業が必要です。

①施主との打合せや近隣挨拶

施主と建築内容、工期、予算の確認を行います。並行して近隣住民に工事の説明と挨拶を実施し、施工中のトラブルを未然に防ぎます。

②設計・申請手続き

設計プランの確定後、建築確認申請や各種インフラ申請、長期優良住宅・ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)などの制度認定を行い、法的・制度的な準備を整えます

③土地の準備

地盤調査と必要に応じた地盤改良を実施し、境界確認や樹木・障害物の撤去などを通じて工事が行える状態に整備します。

④仮設工事の準備

仮設電気・水道、仮設トイレ、防音シートやフェンスの設置などを行い、安全で作業しやすい現場環境を整えます

⑤着工前確認

工程表や施工図をもとに、現場関係者との最終確認を実施。加えて、安全面や近隣対策も含めた打合せも行います。

⑥地鎮祭

工事の安全を祈願し、神主による地鎮祭を実施します。施主・関係者も参加する重要な節目です。

⑦基礎工事の準備

基礎位置を示す遣り方出しを行い、仮設足場を設置します。これにより、基礎工事に向けた準備が完了します。

1. 基礎工事

基礎工事は、建物の荷重を地面にしっかり伝え、不同沈下を防ぐために非常に重要な工程です。湿気やカビから建物を守る効果もあり、床下の配管やメンテナンス空間の確保にもつながります。

①遣り方出し

建物の正確な位置・高さを設定するため、水糸や杭を使って基準線を設置します。

②根切り(掘削)工事

ベタ基礎は全面、布基礎は必要箇所を掘削し、基礎の形をつくる準備をします。

③地業工事

砕石を敷き詰めて転圧し、防湿シートや捨てコンクリートを打設して地盤を安定させます

④基礎配筋

鉄筋を設計通りに組み立て、基礎の強度を高めます。検査による確認も重要です。

⑤コンクリート打設

型枠内にコンクリートを流し込み、バイブレーターで気泡を抜いて均一に仕上げます。養生後、型枠を外します。

2. 躯体工事

建物の構造を形づくる躯体工事では、土台や柱、梁などを組み上げることで、住宅の骨組みが完成していきます。構造的な強度を確保するための重要な工程です。

①土台敷き

基礎の上に木材や鋼材を固定し、構造体の土台をつくります。床下の防湿・通気対策も行います。

②建方(たてかた)

クレーンなどを使用して柱・梁・桁を組み立て、屋根の頂部までを構築する「上棟」まで進めます。

③耐力壁、床の施工

耐力壁(筋交いや構造用合板)を配置し、床下地の合板を敷設することで、建物の剛性を高めます。

3. 外装工事

住宅の外観を形づくるとともに、防水性や耐久性を確保するための工程です。雨風から建物を守り、美観や機能性を備えた仕上がりを目指します。

①防水シート・通気胴縁の設置

外壁下地に透湿防水シートを貼り、通気胴縁を取り付けて湿気を逃す構造を形成します

②外壁施工

サイディングやモルタルなどの外壁材を施工し、目地にはコーキングを施して防水性を高めます

③屋根工事

野地板、防水シート(ルーフィング)を敷き、屋根材(瓦、金属など)を葺いて雨漏りを防止します

④開口部(窓・ドア)施工

サッシや玄関ドアを取り付け、防水・気密処理を行い、開閉性能も丁寧に確認します。

⑤仕上げ・最終チェック

外壁塗装や各部の仕上げを行い、防水性・断熱性・施工精度を最終確認して外装工事を締めくくります。

4. 内装工事

住宅内部を仕上げる工程で、快適な住空間の機能性と意匠性を整える重要な作業です。

①断熱材施工

壁や天井に断熱材(グラスウールやウレタンフォームなど)を施工し、室内の断熱性・防音性を高めます。気密シートも貼り、湿気や結露を防ぎます。

②間仕切工事

石膏ボードなどで部屋ごとの壁をつくり、必要に応じて壁の中に電気配線や給排水管を通します。室内空間の構成を具体化する工程です。

③天井・床仕上げ

天井には石膏ボードやクロスを貼り、床にはフローリングや畳を施工します。デザイン性と耐久性のバランスが重要です。

④設備工事

キッチンや浴室、トイレなどの住宅設備を設置し、水道・電気・換気設備と接続します。使い勝手や動作確認も同時に行われます。

⑤クロス・塗装工事

壁や天井にクロスを貼るか塗装仕上げを行い、最終的な内装の見た目を整えます。傷や不具合がないかもこの段階で確認・補修します。

5. 仕上げ・検査

工事の完了後、品質や安全性を確認する各種検査を行い、最終的な引き渡しへと進みます。

①社内検査・役所検査

施工会社が自主検査を行った後、役所による完了検査を受けます。問題がなければ「検査済証」が発行され、正式な完成となります。

②建物最終チェック

施主とともに、壁や床の仕上げ状態、窓やドア、設備機器の動作などを最終確認します。細かい点までチェックする重要な工程です。

③手直し工事

不具合が見つかった箇所を補修します。たとえばクロスの浮きや設備の微調整、塗装の補正などを行い、状態を整えます。

④引き渡し

施主に鍵や書類を渡し、設備の使い方やメンテナンス方法を説明します。これにより、住宅は正式に施主の所有物となります。

住宅に用いられる工法の比較

戸建住宅にはさまざまな工法があり、それぞれに強みと課題があります。
各ハウスメーカーは自社技術やブランド戦略に合わせて特定の工法を採用し、住宅性能の差別化を図っています。

ここでは、基本的な工法を4つ紹介します。

在来工法(木造軸組工法)

柱と梁を組み合わせて構造をつくる日本の伝統的な工法で、間取りやデザインの自由度が非常に高いのが特長です。
吹き抜けや大開口の窓なども実現しやすく、注文住宅で広く用いられています。

構造設計や現場施工の技術力が求められる一方で、自由度の高さが設計・施工の難しさにつながることもあります。

ツーバイフォー工法(2×4工法)

北米発祥の木造枠組壁工法で、枠と合板で構成された「面」で建物を支えるため、耐震性や断熱性に優れています。

施工の標準化がしやすく、工期短縮やコスト抑制が可能なことから、建売住宅などで多く採用されています。

ただし、壁の量が必要な構造のため、間取りの自由度はやや制限されます。

鉄骨造(S造)

工場で製作された鉄骨部材を現場で組み立てる方式で、構造の安定性と施工のスピードに優れています。

中層建築にも対応できるため、都市部の狭小地での3階建て住宅や二世帯住宅などに多く見られます。

コストを抑えながら高い耐震性を確保できる点が強みです。

鉄筋コンクリート造(RC造)

耐久性・遮音性・耐火性に優れた構造で、マンションや高級住宅などに多く用いられます。

コンクリートと鉄筋による一体構造のため頑丈ですが、その分コストが高く、工期も長くなりやすいというデメリットがあります。

デザインの自由度や防音性を重視する層から支持される工法です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

戸建住宅の建築は、着工前の準備から仕上げ・検査まで多くの工程が連携し、安全性と品質を確保しています。

ハウスメーカー業界への転職を進めるうえで、住宅が作られる流れや工法を知っていると業界への知識や関心をアピールすることにつながります。

また、入社後でも基礎的な知識を押さえておくことでスムーズに会話をすることができます。

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