【転職者必見】建設業界で転職を考えている人が知っておくべき「躯体工事と内装工事の違い」

【転職者必見】建設業界で転職を考えている人が知っておくべき「躯体工事と内装工事の違い」

あなたが建設に携わる職業であるならば、躯体工事と内装工事の違いを明確に説明できますか?

建設業界で転職を考えるならばこの2つの違いを明確に言語化できなければなりません。施工管理者は長い工期の中で工種を理解し、工事や場面に応じた適切な対応が求められます。まず、この2つの工事の違いを理解し、自己分析に活かしていきましょう。

なぜ転職活動の際に躯体工事と内装工事の違いを知っておくべきか

建設業界での転職活動において、躯体工事と内装工事の違いを正しく理解しておくことは非常に重要です。なぜなら、これらは施工管理の現場における仕事内容・管理体制・求められるスキルが大きく異なるからです。

転職先の企業がどの工種に強みを持っているか、自分がどのフェーズでの経験を持ち、どこに強みを活かせるかを整理できるようになることで、面接時の自己PRの説得力が格段に上がります。

建設業界は「ゼネコン(総合建設業者)」と「専門工事業者(サブコン)」で役割が分かれており、さらにその中でも躯体と内装で求められる人材像が異なります。転職活動において、自分のキャリアの方向性を明確にするためにも、この2つの違いを知っておくことが不可欠でしょう。

建物が建設される流れ(着工から竣工まで)

はじめに、建物が着工から竣工までどのような工事があり、進行していくのかを見ていきましょう。

建物が完成するまでの大まかな流れは、

  • 調査・設計段階
  • 着工準備
  • 仮設工事
  • 躯体工事
  • 外装工事
  • 内装工事
  • 仕上げ工事・検査
  • 竣工・引き渡し

の順に進んでいきます。

まず最初の調査・設計段階では、土地の地盤や法規制、用途に関する調査が行われ、基本設計や実施設計が作成されます。その後、着工に向けての施工計画の立案や建築確認申請などの手続き、施工体制の確立が着工準備として進行します。

次に、現場環境を整える仮設工事では、資材搬入や作業員動線の確保のための仮囲いや足場、仮設電気や給排水設備の設置が行われます。その後、建物の骨組みとなる躯体工事が始まり、基礎から柱・梁・床・屋根などの構造体を施工していきます。

外装工事では、建物の外観を形づくる外壁材や窓サッシの取り付け、防水工事などが行われ、次に内部を仕上げる内装工事へと移ります。

内装工事では、天井や壁、床の仕上げ、建具や造作家具の設置、さらには電気・空調・給排水設備の設置が進められます。

最後に、全体の最終仕上げとしての補修やクリーニング、自主検査・官庁検査が行われ、問題がなければ竣工し、施主への引き渡しが完了します。

躯体工事とは

続いて、躯体工事の作業はどんなものがあるのか、施工者の目線ではどのような管理が必要なのか見ていきましょう。

躯体工事とは、建物の構造体、すなわち建物の「骨」となる部分を作り上げる工事です。RC造、S造、SRC造など、建物の構造形式に応じて、鉄筋の組立、型枠の設置、コンクリートの打設、鉄骨の建方などの作業が行われます。

この工事では、構造図や配筋図といった図面に基づき、緻密で確実な施工が求められます。例えば、鉄筋のピッチやかぶり厚さの確認、コンクリートの配合・打設時間の管理などが重要で、施工の誤差がそのまま建物の耐震性や安全性に直結するため、極めて高い精度が必要です。

また、安全面への配慮も非常に重要で、高所作業・重機作業が伴うため、足場の設置状況や作業員の導線、資材の保管状況などに細心の注意を払う必要があります。躯体工事は工程全体の基盤となるため、ここでの遅れはその後のすべての工事に影響を及ぼすという重大な責任があります。

躯体工事は内装工事よりも危険な工事が多いため、施工者として安全面での厳重な管理が必要になります。また、工程にも影響がでやすい場面なので施工者の手腕が求められます。

内装工事とは

次に内装工事の作業はどんなものがあるのか、施工者の目線ではどのような管理が必要なのか見ていきましょう。

内装工事は、建物の内部空間を美しく、機能的に仕上げていく工程です。一般的には、下地づくり、天井・壁・床の仕上げ材施工、建具や什器の取り付け、照明や空調といった設備の設置などが含まれます。この段階では、空間全体のデザインや仕様に関する詳細な打ち合わせが必要であり、施主や設計者との密なコミュニケーションが不可欠です。

例えばクロスの色、床材の種類、照明器具の位置など、細かな部分での仕様変更が発生しやすく、変更があった場合には工程の調整や業者の再手配、コスト管理など、複合的なマネジメント能力が求められます。

また、施工精度も非常にシビアで、わずかな段差や仕上げのズレがクレームにつながる可能性があるため、ミリ単位の調整が日常的に発生します。空間の印象を左右する照明や造作家具、サイン類の設置なども含まれるため、美的センスや顧客志向も重要な資質となります。

このように内装工事では躯体工事と異なり、より緻密な部分の管理が必要になります。内装工事の管理がそのまま施主に見せる仕上げに直結するため、修正箇所や後戻りを生まないための管理が求められます。

躯体工事と内装工事で施工管理者の役割の違い

躯体工事と内装工事の違いを見てきましたが、具体的に施工管理者の役割にどのような違いがあるのか見ていきましょう。

躯体工事の施工管理者は、まず構造図や施工図をもとに、現場での作業内容を具体化し、関係業者に正確な指示を出します。鉄筋や型枠、コンクリートといった構造部材に関しては、施工精度が構造安全性に直結するため、各工程のチェックポイントを明確にしながら進める必要があります。

また、コンクリートの打設時には、外気温や湿度に応じた養生計画を立てたり、配合計画とスランプ管理を実施したりと、現場ごとの環境に応じた対応が求められます。鉄筋業者や型枠業者などとの日々の工程調整、安全指導も欠かせません。さらには、品質検査やコンクリートの圧縮強度試験などの試験体管理も施工管理者の業務に含まれます。

一方、内装工事の施工管理者は、複数の専門工事業者(内装、電気、空調、衛生など)を同時並行的に動かす役割を担います。各工事の作業が重なりやすいため、各工事のタイミングや施工順序の最適化を図る必要があり、日々の工程調整能力が非常に重要です。

また、納まり図との整合性を確認し、図面通りに施工が行われているかを細かくチェックする一方で、現場での変更やイレギュラーにも柔軟に対応しなければなりません。施主や設計者との打ち合わせでは、デザインや機能の細部に至るまで意見を交わし、現場での実現性と調整の橋渡し役を果たします。最終段階では、引き渡し前のチェックリストを用いた是正箇所の把握と修正対応も担当します。

このように躯体工事と内装工事では求められる能力・知識が異なります。充分に2つの工事の違いを理解した上で転職活動を進めていかなければなりません。

転職活動への活かし方

転職活動では、自分のこれまでの経験が躯体工事なのか内装工事なのかを明確にし、それぞれの中でどのような課題に対処し、どのような成果を上げてきたかを伝えることが効果的です。

例えば、構造精度を守るために現場で独自にチェックシートを作成し、配筋ミスを未然に防いだ経験がある場合、それは構造重視のゼネコンにとって大きなアピール材料となります。

一方で、施主と連携しながらデザイン性と使い勝手を両立させる内装仕様の調整を行った経験がある場合は、顧客対応力の高さや調整力が問われる内装系企業やPM業務において評価される要素です。

さらに、どちらの経験であっても「なぜその現場で自分が役に立てたのか」「その経験をどう今後に活かしたいか」といった視点を持つことで、単なる作業者ではなく、主体的に現場を動かす管理者としての視点を伝えることができ、面接官の評価も上がります。

まとめ

内装工事と躯体工事の違いは、建物の構造と空間という全く異なる性質を持っており、施工管理者に求められるスキルや対応力もそれぞれ異なります。転職活動においては、自分がどちらの分野で経験を積み、何を得意とし、どのような価値を提供できるのかを言語化することが重要です。

内装か躯体かで優劣はなく、それぞれに専門性と魅力があります。どちらの現場であっても、施工管理者は“現場の司令塔”として、職人や設計者、施主との信頼関係を築きながら、建物の完成に貢献する存在です。

自分の得意分野を正確に把握し、次に進むキャリアのフィールドで最大限に力を発揮する準備を整えていきましょう。